「不変の日常という幸せ」 by司馬仲あるじ

猫又「むにゃむにゃ…ぐー…」
あるじ「ほら、早く来い!」
ぶるぶる「ひいいい!嫌ですううう! 勘弁してくださいいいいい!」
猫又「にゃむにゃむ…何の騒ぎだにゃ? おちおち昼寝もできんにゃあ… いっちょ様子を見てくるかにゃ」
あるじ「いい加減にしないか!やるって決めたんだろ!?なあ、ぶるぶる!」
ぶるぶる「そんなに怒鳴らないで…怖いですう…」
あるじ「だったらそうやって俺の脚にしがみつくのをやめて自分で歩いてくれよ…脚がもげるっ…!」
猫又「あるじ、ぶるぶるを脚にくっつけて何してるにゃ?筋トレかにゃ?」
あるじ「くっつかれてるんだよ!怖がりを直したいって言うから特訓しようとしただけなのに…」
ぶるぶる「お外は怖いですう!太陽の光が眩しくて目が破壊されるかもしれません!お部屋に帰してください!」
あるじ「西洋の吸血鬼かお前はっ! 大丈夫だ、ちゃんとしたコーチを呼んであるから」
猫又「こーち?」
化け猫「あるじさん、お待たせしましたにゃん」
あるじ「おお、化け猫。早かったな」
猫又「化け猫がそのこーちを連れてきたのかにゃ?」
あるじ「頼んでおいたんだ。で、コーチはどこだ?」
化け猫「あちらの方で待ってますにゃん」
あるじ「わかった、ありがとう。ぶるぶる、行くぞ!」
ぶるぶる「いやああああ!」
猫又「面白そうだからついて行くにゃっ」
化け猫「私もご一緒しますにゃん」

土転び「遅い!貴様らには時間の概念というものが無いのか!貴様らは動物かあっ!?」
猫又「ある意味ではガッツリ動物にゃ」
化け猫「にゃん」
あるじ「お前ら姉妹は確かにそうだな…それよりも土転び、急に呼び出してすまんな」
土転び「構わん。軟弱者を鍛え直すという仕事は、私にしか務まらんだろうからな」
あるじ「頼もしいな…」
土転び「それで、その脚にくっついているそいつがぶるぶるだな?…これは相当だな」
ぶるぶる「ひいい…」
あるじ「そうなんだよ…頼めるか?」
土転び「任せておけ。よろしく頼むぞ、ぶるぶる」
ぶるぶる「はひっ…いえ、私は…そのお…」
土転び「シャキっとしろーっ!」
ぶるぶる「ひいっ!」
猫又「土転びの一喝でぶるぶるがあるじの脚から離れたにゃ!これで一件落着にゃ!」
化け猫「お姉ちゃん、まだ一件も落着してないですにゃん」
土転び「あるじっ!ぶるぶるから離れろ!」
あるじ「え?」
土転び「鉄拳上等ー!」
ぶるぶる「きゃあああああー!」
猫又「土転びがぶるぶるに襲いかかったにゃー!?」

(土転びと戦闘)

ぶるぶる「離してくださいぃー!怖いですうう!」
あるじ「おい土転び、ぶるぶるをどうするんだ?」
土転び「今にわかる。 さああるじ、その倉の扉を開けろ!」
あるじ「えっ、この食糧庫を?」
土転び「開けろ!」
あるじ「お、おう。…ほら、開けたぞ」
土転び「チェストおおおー!」
ぶるぶる「ぎゃあああー!」
あるじ「何ーっ!?土転びがぶるぶるを倉に投げ込んだーっ!?」
土転び「頑強施錠ーっ!」
あるじ「ありもしない四字熟語を叫んで倉に鍵を!」
ぶるぶる「中に利器土がいますうう!大量ですうう!」 あるじ「利器土!?土転びの仕業か!?」
土転び「あらかじめ利器土を呼び寄せておいた。荒治療だ。」
ぶるぶる「ぎょえええ!怖いこわいー!出してっ、出してくださいよお!」
ぶるぶる「利器土硬っ!足の指にぶつかったらただじゃ済みませんよこれ!」
ぶるぶる「ああっ!なんかヌルヌルするう!これ何ですかこれえ!?どこの部分ですかこれえっ!?」
ぶるぶる「暗くて見えません怖すぎますう!倉が暗いですううう!」
猫又「ダジャレだにゃ。結構余裕そうだにゃ」
あるじ「土転び、荒治療はいいんだけど、このままじゃ食糧庫が破壊されちまう」
猫又「確かにやばいのにゃ。ぶるぶるがあるじの食糧庫のナカでヤンチャに大暴れしてるにゃ」
あるじ「なんか気になる言い方だな…」
土転び「あの倉、食糧庫だったのか?中はカラッポだったぞ?」
猫又「ここに住み始めてから、食糧は常にカツカツにゃ!なめんなにゃ!」
あるじ「威張るなよ…それに関しては本当に切実なんだから!何度大変な目にあったことか…」
土転び「何をしんみりしている!ぶるぶるが出てきたぞ!」
あるじ「いつの間に!ぶるぶる、大丈夫かっ!?」
ぶるぶる「……。」
ぶるぶる「あは」
あるじ「ぶ、ぶるぶる?」
ぶるぶる「あはは!太陽が眩しいですねえ!ほら見てください!あの雲、大きいですよお!」
あるじ「おい…大丈夫か?」
ぶるぶる「私行きます!あの雲を追いかけます!」
猫又「行っちまったにゃ…」
化け猫「倉の中で何が…」
土転び「想定とは違ったが、まあ成功したんじゃないか?」
あるじ「…前にも言ったかもしれないが、ぶるぶるはやっぱりいつものぶるぶるの方が良いと思うな」
化け猫「変わらないというのもまた素晴らしいことですにゃん」
猫又「私もこのまま変わらずあるじとずーっと一緒にいるのにゃー!」
あるじ「うわっ!はは、今度は猫又が脚にくっついちまった…やれやれ…」