「あるじの誕生日!?」 by文鎮あるじ

九尾の狐「うむ…あるじよ、よく来たな。さぞ疲れたであろう湯にでも浸かってきたらどうじゃ?」
あるじ「いや、それよりも用事って何なんだ?九尾の狐がわざわざ京トまで呼び出したりして…」
九尾の狐「こここーっん、連れない奴じゃな。せっかく背中でも流してやろうと思うたのに…」
あるじ「…あんまり焦らすなよ。早く本題に入ってくれないか?」
九尾の狐「せっかちな奴じゃな…。あるじは『手提暗函』というものを知っておるか?」
あるじ「写真を撮るための機械のことだったと思うが…」
九尾の狐「うむ、あっておるぞ。よく知っておったな」
あるじ「まあ、江戸時代から存在してたしな。だが魂を吸われてしまうという噂を聞いたような…」
九尾の狐「それでな…これじゃっ!ジャーンッ!」
あるじ「まさか実物を持っているとは思わなかったな…。試しに撮ってみたりはしたのか?」
九尾の狐「うむ、この通り。バッチリじゃったぞっ。魂云々はよう分からんが多少疲れたはしたのう…」
九尾の狐「そこで、じゃっ。あるじよ。一緒に写真を撮ってみないか?」
あるじ「ええっ…、もしかしたら魂を取られるかも知れないんだろ。俺は遠慮しておくよ…」
九尾の狐「そう言うでない!ほれ、その椅子に座るのじゃ」
指差す先には西洋風の椅子、椅子の背もたれと同じくらいの高さの台が用意されていた。
九尾の狐「ほれ、早くするのじゃっ」
あるじ「ちょっ…胸が当りそうだ、この状態で何分か動かずにいるのか…」

パシャリッ!

九尾の狐「ふむ、良さそうじゃな。もう動いて構わんぞ」
あるじ「はあ…、何かもの凄く疲れたな…。この疲れのせいで魂を取られたと錯覚するのかもしれないな」
九尾の狐「あるじはからかい甲斐があって愉快じゃな。退屈せんですむわ」
九尾の狐「ついでじゃ、退屈しのぎに付き合えあるじよ。招いとらん客がきたようじゃな」

利器土「妖力ヲ感知ッ!
 征討セヨ!
 征討セヨ!」

あるじ「俺は別に退屈してなかったんだがなあ…」

(利器土と戦闘)

九尾の狐「汗をかいたな、風呂に入るか…。どうじゃ、あるじも一緒に…ってもう寝ておるのか」
九尾の狐「今日のうちにゆっくり休んでおけよ。何せ本番は明日じゃからな」
猫又「あるじーっ、さっさと目を覚ますのにゃっ」
犬神「…まったく、いつまで寝てるつもりなのかしらね…呆れちゃうわ」
河童「別に寝ててもいいけどよーっ、早くしないと朝飯無くなっちまうぜ?」
あるじ「…えっ!?猫又、犬神、河童?どうしてここにいるんだ?確か九尾の狐の所で寝てしまったのか?」
猫又「とっとと、飯を食いに行くのにゃーっ!」
あうじ「ちょっ、引っ張るなよ…」

あるじ「どうしたんだ?この料理は…酒も沢山あるし」
九尾の狐「うむ、猫又たちはわしの転送術で連れてきたんじゃよ、料理を作ったのはホレ、あやつらじゃよ」
おとら狐「お口に合えば良いんだけどねぇ」
あるじ「おとら狐にオサキまで…。今日は本当にどうしたんだ?」
河童「何、とぼけてやがんだっ、あるじ。オレたゃ、皆知ってんだぜ?」
あるじ「…へっ?一体何のことなんだ?」
犬神「あるじは意外と照れ屋なのにゃーっ。せーのっ…」

全員「「「誕生日おめでうっ!!なのにゃ」」」
あるじ「誕生日?今日誰かの誕生日なのか?」
九尾の狐「無論、あるじのじゃ。猫又から聞かされておったからのう、皆集まってきてくれたんじゃぞ?」
九尾の狐「あの暗函だって今日のために用意したものじゃしのう」
あるじ「いや…集まってくれたのは有り難いんだが俺の誕生日は今日じゃないぞ?猫又…?」
猫又「か…勘違いだったみたいだにゃっ、まあ用意しちまったもんは仕方ないのにゃっ」
猫又「料理が冷めちまうといけないのにゃ、いただきまーすなのにゃっ!」
あるじ「やれやれ…最初から猫又の勘違いだったみたいだな」

九尾の狐「さて、用意して使わんと言うのもアレじゃし、そろそろ写真を撮るとするか」
猫又「初めてだから緊張するのにゃっ」
犬神「あたしはやったことあるけど疲れるのよね~コレ…」
河童「へへっ、まあ良いじゃねえか。さっさと撮っちまおうぜ」

パシャリッ!

あるじ「まあ、これはこれで立派な記念…だよな」