「末永く、よろしくね」 by畠中愛あるじ

天竺徳兵衛「あるじ!あるじはいるか」
あるじ「徳兵衛、どうした?何か用か?」
天竺徳兵衛「おお、あるじ。ここにいたのか」
天竺徳兵衛「覚えているか?オレたちが出会って、そろそろ2年になる」
あるじ「2年……もうそんなになるのか」
天竺徳兵衛「ああ。月日が経つのは早いものだ」
天竺徳兵衛「そこでだ、今日はオレが、あるじに祝いの品を用意してやったぞ」
あるじ「祝いの品?」
天竺徳兵衛「うむ。受け取るがいい」
あるじ「これは……綺麗なガラス瓶だな。――ん?中に何か入ってる?」
天竺徳兵衛「いわゆる、惚れ薬というやつだ」
あるじ「ほ、惚れッ!?」
天竺徳兵衛「ああ、一口飲ませれば、目の前の相手をたちまち好きになってしまうという「アレ」さ」
あるじ「こんなもん、どこから――!」
天竺徳兵衛「フフ、仕入れ先は企業秘密だ」
天竺徳兵衛「これを使えば、女はあるじを寄って集って取り合うぞ?」
あるじ「そ、そんなの、反則じゃないかっ!」
天竺徳兵衛「遠慮するな、あるじ。誰か使いたい奴はいないのか?」
天竺徳兵衛「……それとも、オレがあるじに飲ませてやろうか」
あるじ「い、いや、ちょ、徳兵衛……!?」
天竺徳兵衛「そら、あーん――」
猫又「にゃーーーーっ!」
あるじ「うわっ!ね、猫又!それに、みんなも――」
犬神「ちょっと徳兵衛!」
河童「あるじになんてモン飲ませるつもりだッ!」
天竺徳兵衛「フム、邪魔が入ったか」
猫又「抜け駆けは許さないにゃ!徳兵衛に先を越される位なら……」
猫又「その薬、あたしがあるじに飲ませるにゃー!」
河童「お前もかよ!?」
犬神「あー!ダメ!それなら私が!」
河童「ちょっ…………ふたりともずるいぞ!!」
あるじ「こ、こらお前ら!何やって……う、うわ!」
利器土「妖怪ヲ発見シマシタ!
 強襲シマス!
 強襲シマス!」

あるじ「な……利器土!?なんでこんなところに!」
天竺徳兵衛「チッ、次から次へと――この徳兵衛様の邪魔をするとは、 覚悟はできているんだろうな!」

(利器土と戦闘)

天竺徳兵衛「あるじ、無事か」
あるじ「あ、ああ。猫又たちも平気か?」
猫又「あたりきにゃっ!」
河童「これくらい、朝飯前だぜ」
犬神「……あーっ!!」
あるじ「ど、どうした犬神!?」
犬神「今の衝撃で、薬がっ!」
あるじ「あ……」
天竺徳兵衛「……フム、瓶が割れてしまったか」
猫又「……全部こぼれちゃったのにゃ」
あるじ「……すまない。せっかく徳兵衛がプレゼントしてくれたのに――」
河童「これじゃあ、使えねーな」
犬神「あーあ……」
天竺徳兵衛「……フフフ」
河童「徳兵衛、何がおかしいんだ?」
天竺徳兵衛「いや。あるじには、惚れ薬など必要ないようだな」
あるじ「え?」
天竺徳兵衛「言ったであろう?あれは、飲ませた相手の心を己のモノにする薬だ」
天竺徳兵衛「忘れていたぞ。薬など使わずともオレたちの心は、とっくの昔にあるじのものだ」
犬神「確かに」
猫又「……そうだにゃ。皆、あるじの事が大好きにゃ!」
あるじ「はは……ありがとう。なんか、ちょっと照れるな」
河童「って、オレたちはあの薬、あるじに飲ませようとしてたんだけどな」
犬神「まあ、惚れ薬、あるじに飲んで貰えなかったのは残念だけど……」
犬神「よく考えたらそんなことしなくっても、あるじだって、私たちのこと好きよねっ?」
猫又「犬神、いいこと言うにゃあ!」
河童「で、あるじの返事は?」
あるじ「……ああ!犬神も河童も、猫又も徳兵衛も――」
あるじ「俺は、お前たち皆のことが大好きだ!」
犬神「やった~!!」
猫又「両想いだにゃ!」
河童「へへ……嬉しいぜ」
天竺徳兵衛「あるじ。オレたちはいつでも、あるじの傍にいる」
天竺徳兵衛「これからもオレ達を、末永くよろしく頼むぞ」
あるじ「ああ。こちらこそ、これからもずっとよろしくな!」