「一狩り行きましょー!」 by文鎮あるじ

あるじ「はあ…、食欲の秋はもう終わったはずなのに、猫又たちもよくたべるせいで食料が…」
ももんじい「あるじさん、どうしたんですか?」
あるじ「ああ…ももんじいか。見てくれ、食料が底をつきそうなんだ…」
ももんじい「うわあ…ホントですね。…あっ、そうだ。あるじさん狩りに行きませんか?道具は私が用意します」
あるじ「えっ、でも狩りなんかやったことないぞ。大丈夫なのか?」
ももんじい「実際は良くないんですけど…まあ、私が教えますよ。まだ禁猟期なのでそれまでに教えましょう」

あるじ「…で、何で俺たちは山に入ってるんだ?てっきり、銃の使い方とかをやるのかと思ってたんだが…」
ももんじい「何言ってるんですかっ!実際の山に入らなければ分からないことが一杯あるんですよ」
ももんじい「例えばですね…これを見てください、あるじさん」
あるじ「ん、木に何かあるのか?何だ、ただ傷ついてるだけじゃないか。それがどうかしたのか?」
ももんじい「甘いですね、これは傷の大きさから言って熊ですね。下の方にも同じような傷がありますね」
あるじ「それがどうしたっていうんだ?ただ二箇所に傷つけただけだろ」
ももんじい「違いますよっ、おそらく子連れの熊です、しかも親は結構な大物ですよ」
あるじ「傷だけでそんなことまで分かるなんて奥が深いんだな」
ももんじい「そうなんです。山は何があるか分かりませんからね。周囲のものを注意深く観察してください」

その後、数週間に渡りももんじいの指導は続き、猟の解禁日を迎えた。

ももんじい「さあ、あるじさん。今まで教えたことの成果を見せてくださいね」
あるじ「ん~、自信はあまりないがやるだけやってみるよ」

あるじ「…結構、深いところまで入ったな。ここからは更に慎重にならないとな」
ガサガサッ!
あるじ「ん、あっちに何か居るのかっ!?」
ももんじい「しっ!静かに、あるじさん。大声を出すと気付かれますよ、ゆっくり様子を見てみましょう」
(そ~っと、そ~っとだぞ俺)

ガサガサッ!

利器土「密猟者ヲ発見!直チニ逮捕セヨッ。逮捕セヨッ。」

ももんじい「失礼なっ!今年から解禁日が早くなったんですよっ」

(利器土と戦闘)

「はあ、利器土との大騒ぎのせいで動物いなくなったかもな…」
ももんじい「あるじさん、アレを見てください。イノシシですよ」
「よーし、頑張れ俺!」
呟いて、イノシシへと銃を構えゆっくりと引き金に指をかけ

バンッ!

ももんじい「やりましたねっ、あるじさん。初めての獲物にしては立派なものですよ!さあ、帰りましょうか」
「えっ、帰るのか?まだ一匹しか狩ってないのに…」
ももんじい「必要な分だけ山から分けていただくんですよ。獲りすぎると山の生態系を壊すことにも繋がります」
ももんじい「それに早く血抜きしないと肉も傷みますし、これ以上は持ちきれないですよ」
「…そうだな、こんな武器を手にしたからって付け上がってたもかもな」
ももんじい「そうです、猟師たるもの山への感謝は忘れてはいけないんですよ!」

屋敷に帰ってから早速ももんじいがイノシシの調理に取りかかってくれた。
猫又「ん~、何かウマそうな匂いがするのにゃ~」
ももんじい「もうすぐ食べられますからね~。あと少しだけ待っててください」
猫又「ところでこの肉はももんじいが獲ってきてくれたのかにゃ?」
ももんじい「いえ、これを獲ってのはあるじさんですよ」
猫又「にゃ、にゃんですとーっ!?あるじ、実はスゴい奴だったのかにゃっ」

ももんじい「さあ、出来ましたよ。たーんと召し上がれ」
あるじ「いただきますなのにゃーっ!」
猫又「にゃーっ、臭みも全然無くてウマいのにゃーっ!獲ってきてくれたあるじに感謝なのにゃ」
あるじ「…ったく、俺たちの苦労も知らないで呑気な奴だな。まあ、猫又らしいけど」
猫又「ごちそうさまでしたにゃーっ」
ももんじい「…行っちゃいましたね、猫又さん。」
あるじ「んじゃ、俺たちも頂くとするか…。いただきます」
あるじ「やっぱり自分で獲るとウマいな。何か苦労が報われた感じで美味しさもひとしおだよ」
ももんじい「やっぱり肉は美味しいですね~」
あるじ「こんなウマい肉を食えるのもももんじいのおかげだな」
ももんじい「それなら、これからも狩りに付いてきてくださいねっ」
ももんじい「美味しいお肉をいーっぱいごちそうしてあげますからっ!」