「笑う門には福きたる?」 by青歩行虫あるじ

あるじ「なに、お屋敷の食糧がなくなりそう」
化け猫「そうですにゃん。最近お客さんが多くて、ごちそうをだしすぎましたにゃん。ごめんなさいにゃん…」
あるじ「いや、いいんだ化け猫。このところ研究が忙しくて食糧のことにまで気が付かなかった俺も悪いよ」
あるじ「確かに、最近屋敷を訪れる妖怪が多かったからな。けどなぁ」
猫 又「あるじー、ごはんがないにゃーー。おなかがすいたにゃー」
河 童「腹がへって力がはいらねえぜ。あるじ、何とかならねえかなぁ」
あるじ「お前たちはもう少し反省してほしいんだが、お客が来るたびに、大騒ぎだったじゃないか」
猫 又「にゃっ?そうだったかにゃ?」
あるじ「でも、食べ物がないのはまずいな。切り詰めないと……」
猫 又「そうにゃ、あるじの本があるにゃ。あれを質に入れてお金にするにゃ」
あるじ「ちょっと待て、あれは研究用の大事な文献だ。たとえ餓死しても質にはいれ……ん?」
貧乏神「あ、あるじさん……」
あるじ「貧乏神、そんなに心配そうな顔をしないでくれ、大した問題じゃないんだ」
貧乏神「でも、私がいるとお屋敷がどんどん貧しくなってしまいます。出ていった方がいいんじゃあ……」
あるじ「いやいや、そんなことをする必要はないよ貧乏神……おや、お客さんか」

海女房「こんにちは、あるじさん」
海坊主「わははー、あるじきてやったぞ」
あるじ「海女房に海坊主じゃないか。どうしたんだ」
海女房「この間、海坊主ちゃんがお世話になったようですので、お礼をもってきました」
あるじ「おお、魚や貝がたくさん。こんなにもらっていいのか?」
海女房「ええ、どうぞ」
海坊主「ありがたくいただくといいぞ」
あるじ「ありがとう、海女房、海坊主」
卜 部「あるじ、いるかい」
金 時「ひさしぶりだなぁ」
あるじ「季武、そうか今日はこのあたりで狩りをしてたんだったな」
卜 部「うむ、狩場が近くでな。獲物の下処理にお屋敷を使いたいのだが」
あるじ「ああ、そういう約束だったよな。どうぞご自由に」
金 時「ありがとうなあ、あるじ。後でお礼にお肉をわけてあげるだ。それじゃぁやるだよ」
あるじ「ふう、今日は慌ただしいな」

利器土「妖力ヲ感知!
征討セヨ!
征討セヨ!」
あるじ「利器土、こんな時に」

(利器土と戦闘)

貧乏神「あるじさん、お屋敷が大変ですぅ」
あるじ「今度はなんなんだっ、うわっ、座敷に米や野菜がいっぱい」
貧乏神「お味噌もあります。すごいですぅ」
あるじ「手紙が添えてある。母さん!」

葛の葉「あるじちゃんへ。手紙とともにお母さんからの贈り物が届いていると思います」
葛の葉「人間の世界では故郷から食べ物をおくることを「仕送り」というそうね」
葛の葉「お母さん、一度仕送りをしてみたいと思い、やってみました。猫又ちゃん達と仲良く食べてね」

あるじ「だからって地脈転移で仕送りをしなくても……母さん九尾に怒られてなきゃいいけど」
貧乏神「あるじさん、食べ物がいっぱいになりましたね。よかったですね」
あるじ「ひょっとしたら、これも貧乏神のおかげかもしれないな」
貧乏神「えっ、なんででしょうか」
あるじ「貧乏神も大切に祀ってあげれば、福の神になるっている言い伝えがあるんだよ」
あるじ「貧乏神はお屋敷で楽しく過ごしていたよな。貧乏神の笑顔が福を運んでくれたんじゃないかな」
あるじ「だから、ちょっとお屋敷が貧しくなっても、出ていくなんてさみしいことを言わないでくれ」
貧乏神「あるじさん、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします」
あるじ「ああ、これからもよろしく」

猫 又「あるじ~~、食べ物がいっぱいにゃ。お客さんも一緒に今日は宴会にゃ~~」
化け猫「はい、お姉ちゃん。腕によりをかけてごちそうを作りますにゃん」
あるじ「お前たち、今回はたまたま何とかなったが、少しは後先かんがえてくれよーー」
貧乏神「ふふっ、あるじさん、猫又さんたちに福がきますように」