「影に咲く花」 by文鎮あるじ

古椿「あるじ様一体何をしていらっしゃるのでしょうか?」」
あるじ「…ああ、古椿か。いやもうすぐ冬が来て本格的に寒くなってくるだろう?」
古椿「…ええ、そうですね。でも、それがどうか致しましたか?」
あるじ「さっき、庭で見つけたんだ…」
古椿「まあ…花ですか」
あるじ「日陰に咲いてたもんでな…せめて日向に移し替えれば少しは暖かいかと思ったんだが…」
古椿「でも…。いえ、あるじ様はお優しいのですね。私も及ばずながらお手伝いしましょう」
あるじ「ありがとう、助かるよ」
古椿「ではまず円匙を取ってこないといけませんんね。あと肥料はありますか?」

古椿「…そこです。あ、もうちょっと優しくしてくださいね。痛んでしまいますから」
あるじ「ああ、慎重にやらないとな。しかし意外と腰にくるものだな…」
古椿「ふふっ、移し替えはずっとしゃがみっぱなしですから仕方ないのですけどね…」

あるじ「これで良しっ!」
古椿「ええ、終りでございます。お疲れでしょうし、少し休憩致しましょう」
あるじ「今回は色々世話になったし俺がお茶を淹れてくるよ」
古椿「ではお言葉に甘えさせていただきましょうかね」
あるじ「ああ、ちょっと待ってくれ…」

古椿「はあ…、やはりお茶は落ち着きますね」
あるじ「暖まって良いもんだな」
あるじ「なあ、古椿…」

利器土「妖怪花ヲ発見ッ!
 伐採シマス!
 伐採シマス!」

古椿「まあ、失礼しちゃいますねっ」

(利器土と戦闘)

古椿「で、あるじ様何のお話でしょうか?」
あるじ「いや、何となくなんだけど…。あの花たち実はもう駄目なんじゃないかなって思ったんだ」
古椿「…それはどうしてですか?」
あるじ「俺が花を移し替えたいって言ったとき少し暗い顔をしていただろ?だから何となくさ…」
古椿「…気付いていたんですね。あるじ様、ええ恐らくですがそう長くは持たないでしょうね」
あるじ「そうか…だったらどうして俺の手伝いなんてしたんだ?」
古椿「あるじ様が花を助けたいと思った、その優しい気持ちに応えたいと思うのは変でしょうか…」
あるじ「いや、古椿…。お前は俺のことを優しいというがお前の方が…」
古椿「これ以上は言わないでください、その…照れてしまいます…」

あるじ「古椿…冬も終わってしまったな」
古椿「はい、あるじ様」
あるじ「あの花は、やっぱり枯れてしまったな…」
古椿「そうでございますね…」
あるじ「でもな…あの花は種を残して行ったよ」
古椿「花は咲くもの枯れるもの…そうやって命を繋いでいくのですね」
古椿「枯れてしまうのは少し悲しいですけど、それで終りではありませんよ…」
あるじ「なあ、今度この種を植えてみようと思うんだが…また、手伝ってくれるか?」
古椿「はい、あるじ様。この古椿喜んでお手伝いさせていただきます」
古椿「きっと来年も綺麗な花を咲かせますよ」
あるじ「…ああ、楽しみだな」